D-8企業投資ビザの申請方法と資本金要件、実務で詰まりやすいポイントから見ていく
D-8企業投資ビザは、外国人が韓国に一定額以上を投資して設立・運営する法人の経営・管理・生産・技術分野の中核人材に付与される長期滞在資格です。資本金の数字さえ満たせば発給されるわけではなく、資金の出所・法人の実体・事業計画書が一本の線でつながって初めて通過します。資本金要件、外国人投資企業の登録、提出書類、事業計画書の作り方、審査でつまずきやすい箇所まで、実務目線で解説していきます。
D-8企業投資ビザの基本構造
対象となるのはどんな人か
D-8は「出入国管理法施行令」別表1の2に基づく滞在資格で、外国人投資促進法上の外国人投資企業における経営・管理・生産・技術分野の必須専門人材に付与されます。自ら会社を設立した投資家本人だけでなく、本社から派遣される役員や中核技術者も対象です。単純な事務職や一般営業職はD-8の範囲には含まれません。
D-8の細分類
実務でもっとも頻繁に出てくる分類は次のとおりです。
| 区分 | 適用対象 | 備考 |
|---|---|---|
| D-8-1 | 外国人投資促進法上の法人企業の投資家・役職員 | もっとも一般的な形態 |
| D-8-2 | ベンチャー企業などへ投資した企業投資家 | 技術・スタートアップ中心 |
| D-8-3 | 基本資本を出資した個人企業の投資家 | 個人事業主の形態 |
| D-8-4 | 知的財産権・技術を保有する法人の創業者 | 技術系創業の別トラック |
D-8-4は一般のD-8と資本金・評価要件そのものが異なる別トラックなので、初期段階から区別して捉える必要があります。
資本金要件 — 数字より資金の出所が先
外国人投資促進法上の最低投資額
外国人投資促進法施行令では、外国人投資として認められる最低出資額の基準が別途定められており、D-8ビザはその基準以上の出資が行われていないと申請できません。正確な基準額は外国人投資促進法施行令の本文で確認でき、政策変更の可能性もあるため、申請時点で所管機関への確認が欠かせません。
注意: 資本金が基準を満たしていても、本人名義で送金された外国資金であることが立証されなければ、外国人投資そのものとして認められません。
もっとも詰まりやすい関門、資金出所の説明
実務では、資本金を用意することよりも、その資金がどこからどのような経路で入ってきたのかを説明する段階でつまずくケースが多いです。通帳に残高があっても、次の流れが弱いとすぐに崩れます。
- 本国の本人名義口座 → 韓国法人口座へ送金された取引履歴
- 送金理由が「投資(Investment)」と明記された外国為替申告資料
- 資金の原資(給与・事業所得・資産売却代金など)を示す証憑
この説明が弱いと、資本金が入金されていても外国人投資登録の段階で止まってしまうことがあります。
外国人投資企業の登録手続き
外国為替銀行またはKOTRAへの届出が最初
韓国に資金を持ち込む前に、外国為替銀行またはKOTRAへ外国人投資の届出を先に行う必要があります。届出を経ずに送金された資金は、資本金として認められにくくなります。順序は届出 → 送金 → 法人設立 → 外国人投資企業登録です。
法人設立と登記
司法書士(法務士)を通じて法人を設立し、資本金払込後に法人登記と事業者登録を完了させる必要があります。発起人・取締役の構成、本店所在地、事業目的の記載は、いずれもビザ審査に影響します。事業目的があまりに広範に書かれていると、かえって実体が薄く見えてしまいます。
外国人投資企業登録証の発給
KOTRAまたは外国為替銀行で外国人投資企業登録証を取得しないと、D-8申請書類として提出できません。登録証がないと、出入国の段階に進めません。
D-8申請書類のまとめ
基本書類
| 書類 | 用途 | 備考 |
|---|---|---|
| 統合申請書 | 査証・滞在資格の申請様式 | ハイコリア様式 |
| パスポート・写真 | 本人確認 | 規格遵守 |
| 外国人投資企業登録証 | 投資の実体証明 | KOTRA・外国為替銀行発給 |
| 法人登記簿謄本・事業者登録証 | 法人の実体確認 | 直近発行分 |
| 資本金払込証明・残高証明 | 資本金の立証 | 取引明細を含む |
| 事業計画書 | 事業の実体・運営計画 | 審査の核心資料 |
| 賃貸借契約書 | オフィススペース確保の証明 | バーチャルオフィスは弱い |
補強書類
実際の審査では、基本書類以外に下記の資料が合否を分けることが多いです。
- 送金領収書・外国為替申告書の写し
- 本国の所得・財産の証憑(投資資金の原資)
- 取引先・MOU・見積書など事業活動の資料
- 韓国人の雇用計画・労働契約書
書類の点数より、こうした補強資料のほうが事業の実体をより直接的に示してくれます。
事業計画書、長さより説得力が先
よく見られる問題
事業計画書を30〜40ページにわたって長く書く方がいますが、長くなるほど矛盾が露わになるケースが多いです。だいたい次の部分で説得力が落ちます。
- 売上予測の根拠が薄い
- 韓国市場に進出する必然性が見えない
- 資本金の使用計画が「運営資金」とだけまとめられている
- 本人の経歴・技術と事業分野がつながらない
審査官が真っ先に見る項目
実務で審査官がまず確認するのは、次のような点です。
- なぜ本人がこの事業を韓国で直接運営しなければならないのか
- 資本金はどこにどのような流れで使われるのか
- 売上は誰から発生するのか
- 韓国人の雇用計画とそのタイミングはどうなっているか
この4点が事業計画書の前半で明確に示されて初めて、後半のボリュームに意味が出てきます。
実際の審査で詰まりやすいポイント
ペーパーカンパニーと疑われるケース
オフィスがバーチャル、社員ゼロ、取引履歴ほぼなし、というセットはペーパーカンパニーと疑われやすい組み合わせです。資本金が満たされていても、実体が弱ければD-8は通りません。
資本金がすぐに引き出されているケース
資本金の入金直後に、本人または第三者の口座へ再び抜けている形跡があると、外国人投資の実体が否認される事例が頻繁にあります。資本金は事業運営資金として実際に使われていなければなりません。
本人の経歴と事業のつながりが弱いケース
IT事業をやると言っているのに、本人の経歴がまったく別分野で、技術・人脈・資金のいずれも事業と結びついていないと、事業の継続可能性で評価が下がります。
実務のコツ: 資本金・書類・事業計画書がそれぞれバラバラに動いていると、不許可に直結します。この三つが同じストーリーを語るように整える作業こそが、D-8の本当の核心です。
申請手続きの流れ
| ステップ | 内容 | 主体 |
|---|---|---|
| 1 | 外国人投資の届出 | 外国為替銀行 / KOTRA |
| 2 | 資本金の送金 | 本人 → 韓国法人口座 |
| 3 | 法人設立・登記・事業者登録 | 司法書士・税理士 |
| 4 | 外国人投資企業登録 | KOTRA / 外国為替銀行 |
| 5 | 査証発給認定書の申請 | 所管の出入国・外国人庁 |
| 6 | 本国の在外韓国大使館で査証発給 | 在外公館 |
| 7 | 入国後の外国人登録 | 所管の出入国・外国人庁 |
このフローのうち、1〜4のステップがビザ審査自体よりも時間を要するケースが多くあります。
よくある質問(FAQ)
Q1. 資本金さえ満たせばD-8は出ますか? 資本金の充足はあくまで出発点で、資金の出所・法人の実体・事業計画書が同時にかみ合って初めて発給の見込みが立ちます。数字だけ揃えたケースが、実際の審査でもっとも頻繁に詰まります。
Q2. バーチャルオフィスでD-8申請は可能ですか? 形式上の登記はできても、実際の事業活動を立証できるオフィス空間でなければペーパーカンパニーと疑われ、不許可の事由になります。賃貸借契約書に加え、使用状況の写真や什器の写真まで補強するケースが一般的です。
Q3. 資本金を借金で用意してもいいですか? 本人名義の外国資金ではなく、韓国内の借入金や第三者の資金で埋めた資本金は、外国人投資として認められません。資金の原資が本人の本国資産であることが立証される必要があります。
Q4. D-8とD-8-4(技術系創業)は何が違いますか? D-8-4は知的財産権・技術の保有や、創業移民総合支援システム(OASIS)の評価など、別個のトラックで運用されており、一般のD-8より資本金負担は軽い一方、技術・評価要件は厳しくなっています。
Q5. D-8で家族も一緒に入国できますか? 配偶者と未成年の子どもは同伴資格(F-3)で一緒に滞在できます。同伴申請の際は家族関係の証明書類が追加で必要になります。
Q6. 費用はどの程度かかりますか? 政府告示の手数料+行政処理費に加え、法人設立・翻訳・公証・コンサルティング費用が併せて発生します。費用は案件ごとに異なるため、無料相談時に正確にご案内します。
参考となる公式資料
- 出入国・外国人政策本部 ハイコリア: https://www.hikorea.go.kr
- 法務部 出入国・外国人政策本部: https://www.immigration.go.kr
- 国家法令情報センター(出入国管理法・外国人投資促進法): https://www.law.go.kr
- 産業通商資源部 外国人投資案内: https://www.motie.go.kr
法令・告示は改正されることがあるため、申請時点で所管機関への確認が必要です。
ご相談のご案内
D-8は資本金の数字だけの問題ではなく、資金の出所・法人の実体・事業計画書が一本の線でつながって初めて発給されるビザです。韓国に法人を設立する最初の段階から、送金スキームと書類のラインを同時に組み立てるのが、不許可を減らす近道です。
- 事務所: ビジョン行政士事務所(VISION Administrative Office)
- 電話: 02-363-2251
- メール: 5000meter@gmail.com
- 住所: (04614) ソウル特別市中区退渓路324、3階(ソンウビル)
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