D-8企業投資ビザ申請方法と資本金要件の実務ガイド

D-8企業投資ビザ申請方法と資本金要件の実務ガイド

D-8企業投資ビザは1億ウォンの送金よりも、資金出所と事業実体の説明で結果が分かれます。

一覧に戻る投資ビザ公開日 2026年4月14日

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D-8企業投資ビザの申請方法と資本金要件:実務ガイド

D-8企業投資ビザは、外国人投資促進法に基づき1億ウォン以上を投資して設立した法人の経営・管理・生産・技術分野の専門人材に付与される在留資格です。重要なのは送金したという事実よりも、その資金がどこから来たのか、そして韓国法人が実際に事業を営んでいるかを説明することにあります。書類をいくら厚く揃えても、資金の流れと事業の実体が弱ければそこで止まってしまいます。

多くの方は「1億ウォンを入れればいい」と考えがちですが、実際の審査では外国人投資申告、送金経路、法人登記、事務所賃貸、事業計画までを一つのまとまりとして見ます。特に本人が投資家兼派遣者となる一人投資家のケースでは、資金の出所説明と事業実体の立証が最初に引っかかるポイントになります。

1. D-8ビザの種類と対象

D-8は単一のビザのように見えますが、実務上は三つのタイプに分かれます。自分がどの類型に該当するかを正確に押さえることで、書類の方向性が定まります。

D-8-1、D-8-2、D-8-4の違い

最も多く申請される類型は**D-8-1(法人投資)**です。外国人が1億ウォン以上を投資して韓国に法人を設立し、その法人の経営陣や専門人材として派遣されるケースです。D-8-2はベンチャー企業投資家、D-8-4は技術創業(OASIS)ビザで、学位や特許の要件が伴います。

区分 D-8-1 D-8-2 D-8-4
対象 外国人投資法人の経営・管理者 ベンチャー企業の投資・設立者 技術・知的財産ベースの創業者
投資金基準 1億ウォン以上 ベンチャー確認が必要(金額緩和) 金額より技術力・学位
学歴要件 なし なし 学士以上または特許保有
在留期間 最長2年、延長可能 最長2年、延長可能 最長2年、延長可能

誰が申請できるのか

D-8-1は大きく二つのパターンで申請されます。本国ですでに運営している会社が韓国に支社・法人を設立し役員や従業員を派遣するケース、そして個人の外国人が自己資金で韓国に法人を立ち上げる一人投資家のケースです。実務上は一人投資家が圧倒的に多く、審査の厳しさもこちらの方が強めに働きます。

2. 資本金1億ウォン要件の実際の意味

「1億ウォン」という金額は、外国人投資促進法が定める最低基準です。ただし実際の審査で見られるのは、**「1億が入った」ではなく「その1億がどこから来て、どう入り、今どこにあるのか」**という点です。

外国人1人あたり1億ウォンという意味

資本金1億ウォンは法人全体ではなく、外国人投資家1人あたり1億ウォンです。外国人2名が共同投資する場合、各自1億ずつ合計2億が入って初めて、それぞれがD-8の対象となります。一方が1億5千万、もう一方が5千万ウォンを入れた場合、5千万の側はD-8資格を満たしません。

⚠️ 注意: 法人の資本金が2億ウォンでも、外国人投資家本人の持分が1億ウォン未満であればD-8は下りません。韓国人の共同出資者を加えて資本金を膨らませるやり方は、実際の審査でかえって疑念を招きます。

送金は必ず本人口座から外国為替銀行へ

1億ウォンは必ず投資家本人名義の海外口座から韓国の外国為替銀行へ送金される必要があります。第三者送金、現金の持ち込み、国内で借りて払い込んだ資金は外国人投資として認められません。ここでつまずくケースが非常に多いです。

送金方法 認定可否 備考
本人海外口座 → 韓国外国為替銀行 ✅ 認定 最も標準的な方式
第三者口座からの送金 ❌ 原則不認定 贈与関係など別途の説明が必要
現金携帯による持ち込み ❌ 事実上不認定 税関申告しても外国人投資として扱われにくい
韓国内の口座間振込 ❌ 不認定 外国人投資として登録自体が不可

資金出所の立証こそが本当の関門

送金そのものよりもさらに重要なのは、その1億が本来どこから生じたお金かという点です。給与の貯蓄、事業所得、不動産売却、贈与、借入など、出所によって立証方法は変わります。出所の説明が弱ければ、送金記録だけでは審査官は納得しません。

3. 申請の全体手順と所要期間

D-8はビザ申請一回で完結するビザではありません。外国人投資申告から法人登記、投資企業登録、ビザ発給まで順序があり、その順序が乱れると戻ってやり直す構造になっています。

大きな流れで見た各段階

段階 担当機関 所要期間
1. 外国人投資申告 KOTRAまたは外国為替銀行 当日〜3日
2. 投資金送金および両替 外国為替銀行 送金後1〜2日
3. 法人設立登記 管轄登記所 1〜2週間
4. 事業者登録 管轄税務署 3〜5日
5. 外国人投資企業登録 KOTRAまたは外国為替銀行 1週間
6. 査証発給認定書申請 管轄出入国 2〜4週間
7. 在外公館でのビザ発給 韓国大使館・領事館 1〜2週間

総所要期間の実感

実務では最速のケースでおよそ2か月、通常は3〜4か月、書類の補完が一、二回入れば5〜6か月になることも珍しくありません。法人登記の遅れや賃貸借契約の問題で途中停止するケースが多いためです。

💡 実務のヒント: 国内にすでに別のビザで在留している場合、査証発給認定書を経ずに在留資格変更許可で直接D-8に切り替えることができます。在外公館の段階を丸ごと省けるため、期間が大幅に短縮されます。

4. 外国人投資申告から法人設立まで

ビザ書類を語る前に、D-8はまず企業設立手続きが先です。ここでつまずくと、ビザ段階でどれだけ整えても挽回が効きません。

外国人投資申告:何を申告するのか

外国人投資申告は、投資家本人または委任を受けた代理人がKOTRAや外国為替銀行に提出します。申告書には投資家の人的事項、投資対象法人の概要、投資金額、投資方式(株式取得・出資)、業種などが記載されます。この申告が受理されて初めて、外国為替銀行は投資資金としての両替・送金を認めます。

投資金送金と「資本金払い込み」の処理

送金された1億がそのまま資本金になるわけではありません。法人設立前であれば、発起人(投資家)名義の仮想・別段口座に入金されたのち、設立登記手続きとともに法人名義の口座へ移されます。送金目的欄に「外国人投資」と記載されないと、後の外国人投資企業登録の段階で再度つまずきます。

法人設立登記の実務ポイント

  1. 商号と業種: 業種は外国人投資の制限・禁止業種に抵触しないか確認
  2. 本店所在地: 実際に使用可能なオフィス住所が必須(シェアオフィスは審査で実体を疑われる可能性あり)
  3. 取締役・監査: 一人法人も可能だが、代表取締役が外国人本人であるとD-8派遣者として自然
  4. 資本金払込証明: 銀行発行の残高証明が登記段階で必要
⚠️ 注意: 単に住所だけを借りる「バーチャルオフィス」で登記し、実際の備品や職員がない場合、在留資格変更や延長の段階で実態調査に引っかかり不許可となる事例が実際にあります。オフィスは「登記用」ではなく「業務ができる空間」でなければなりません。

外国人投資企業登録証の発給

法人設立と事業者登録が終わり、払込みが確認された時点で外国人投資企業登録証を取得する必要があります。この登録証があって初めてD-8ビザ申請へ進めます。登録証なしに査証発給認定書を申請してもその場で返戻されます。

Blue Ukrainian passports on a light surface, highlighting travel documents.

5. 必要書類と資金出所の立証

書類は大きく法人関連書類個人(投資家)関連書類に分かれます。枚数よりも、各書類が互いに矛盾なく一つのストーリーを構成しているかがまず問われます。

査証発給認定書申請時の基本書類

✅ D-8-1 必須書類チェックリスト
  • 査証発給認定申請書およびパスポート写し
  • 規格写真1枚
  • 外国人投資企業登録証の写し
  • 法人登記事項全部証明書
  • 事業者登録証の写し
  • 外国人投資申告書および送金・両替の証憑
  • 株主名簿
  • 事務所賃貸借契約書
  • 事業計画書
  • 派遣者(申請人)の経歴・学歴証明
  • 本国の犯罪経歴証明書(アポスティーユまたは領事確認)
  • 資金出所の立証資料

資金出所の立証資料:最も引っかかりやすいポイント

資金出所は一、二枚の書類で済むものではありません。出所の類型ごとに要求される書類が異なります。

資金出所 必要な証憑
給与貯蓄 直近3〜5年の在職証明・給与明細・所得税納付記録
事業所得 本国の事業者登録・財務諸表・納税証明
不動産売却 売買契約書・所有権移転登記・売却代金の入金記録
家族からの贈与 贈与契約書・贈与者の財産・贈与税申告
借入 借入契約書・返済計画(投資金全額を借入で賄うと不利)

肝はここです。**「本人の通帳に1億がある」ではなく、「この1億は数年にわたりこうした所得とこうした取引を通じて積み上がった」**という流れを示せるかどうかです。直近に突然大きな金額が入った痕跡があるのに説明が弱ければ、審査官は真っ先にそこを指摘して質問してきます。

⚠️ 注意: 送金直前に本国の他人名義の口座から大きな金額が入金されている場合、審査官は「偽装投資」を疑います。贈与であれば贈与者情報・贈与税申告書、貸付であれば返済計画まで併せて提出して初めて自然につながります。

6. 事業計画書の作成ポイント

事業計画書はデザインや分量ではなく、**「韓国で何を、どう、誰に売るのか」**が読み取れるかどうかがすべてです。

長さより説得力

50ページの華やかな事業計画書が、5ページの簡潔な計画書より不利になるケースはよくあります。長く書くほど矛盾が増え、売上予測が抽象的であれば、かえって実体のない事業と読み取られます。長く書くよりも具体的に書くことが先です。

必ず盛り込むべき内容

  1. 事業アイテムと業種コード: 具体的な商品・サービス
  2. 市場分析: 韓国における需要、ターゲット顧客、競合
  3. 売上モデルと3年間の損益予測: 根拠ある数字
  4. 人材計画: 本人以外の韓国人採用計画(非常に重要)
  5. 資金運用計画: 1億をどの順序で使うか
  6. 本人の経歴・専門性と事業とのつながり

本人の経歴と事業のつながりが弱いとすぐにこじれる

IT経験が全くないのにITサービス会社を設立する、飲食業経験がないのに飲食店を出すといった場合、審査官はまず「この人がなぜこの事業を?」と問います。この説明が不十分だと、他の書類がどれほど良くても力が抜けてしまいます。

💡 実務のヒント: 事業計画書は本人の経歴との接続点を最初のページに配置してください。「私は本国でこうした仕事に携わってきており、その経験を韓国市場に応用しようとしている」という一段落が入れば、以降の数字が自然に読めてきます。

7. よくあるミスと不許可事由

実際の不許可事例を見ると、事由は大きく五つの中で繰り返されます。

ミス1: 資本金を借入だけで埋めたケース

1億のうち9千万ウォン以上がここ数か月間に入った短期借入金である場合、実質的な外国人資金による投資とは見なせないという判断になります。自己資金比率は半分以上が安全圏です。

ミス2: シェアオフィス登記+実体不足

住所だけがあって備品・人員・営業の痕跡がない会社は、在留資格変更や延長の段階で実態調査に引っかかります。最初は通っても次の延長で止まるケースが多いです。

ミス3: 投資金の引き出し

法人設立直後に資本金1億が再び投資家の個人口座へ抜けた記録があれば、外国人投資企業登録が取り消されたりビザ延長が不可能になったりします。事業費として正当に使うことと、「取り戻す」ことはまったく別物です。

ミス4: 業種と事業計画の不一致

事業者登録上の業種は卸売業なのに、事業計画書ではITプラットフォームの話ばかり書かれている場合、書類同士が衝突し信頼性が落ちます。登記・事業者登録・事業計画書の業種は同じ言葉で整理されていなければなりません。

ミス5: 派遣者本人の専門性不足

特に代表ではなく派遣職員としてD-8を申請する場合、派遣者の学歴・経歴がその役職と合致しているかが見られます。経営陣だと主張していながら関連経歴が皆無だと、この点で引っかかります。

不許可事由 実務における本当の問題
資金出所不明 送金はできたが資金の履歴が説明できない
事業実体の不足 登記・住所だけで営業の痕跡がない
事業計画が非現実的 市場・競合分析なしに数字だけを並べている
派遣者の資格不足 役職と経歴の整合性が不足
偽装投資の疑い 他人の資金を本人名義に回した状況

不許可後の再申請時の注意点

一度不許可になると、同じ書類で出し直しても結果は変わりません。不許可事由を正確に把握し、その部分をピンポイントで補強する必要があります。特に資金出所や事業実体に関する事由は、新たな証憑が追加されない限り、再審でも同じ結論になります。

8. よくある質問 (FAQ)

Q1. 資本金を1億より多く入れると審査で有利になりますか?

金額を増やすだけで自動的に有利になるわけではありません。実際の審査では金額の大きさよりも事業規模と資本金のバランスが見られます。小規模な卸小売業なのに5億を入れた場合、かえって「なぜこの業種にこの金額を?」という質問が返ってきます。ただし居住(F-2)ポイント制への切り替えを視野に入れるなら、投資金額がポイントに反映されることもあり、長期的には有利になり得ます。

Q2. 韓国に居住中でD-2やD-10の状態からD-8に切り替えられますか?

可能です。国内で法人を設立し、外国人投資企業登録まで終えたうえで、管轄出入国にて在留資格変更許可を申請します。この場合、在外公館でのビザ手続きを経ずに直接D-8カードへ切り替えられます。ただし、従前の在留期間中に税金や出入国上の違反歴があると、変更段階で引っかかる可能性があります。

Q3. 共同投資家の中に韓国人が含まれていても大丈夫ですか?

問題ありません。ただしD-8ビザを取得しようとする外国人本人の持分が1億ウォン以上である必要があります。韓国人の共同出資者が資本金の大部分を出し、外国人は一部のみ投資する構造では外国人投資企業登録自体が困難です。また、外国人持分が10%以上で初めて外国人投資として認められます。

Q4. 家族を一緒に連れて来られますか?

配偶者と未成年の子はF-3同伴ビザで共に在留できます。F-3は原則として就労が制限されますが、配偶者が別途就労する場合は資格外活動許可や他ビザへの変更を検討する必要があります。子どもの韓国での就学はF-3資格で問題ありません。

Q5. D-8で在留した後に永住権(F-5)は取得できますか?

可能です。D-8で連続3年以上在留し、米ドル50万ドル以上の投資を維持しつつ、韓国人従業員5名以上を正規雇用している状態など、要件を満たせばF-5投資永住の申請が可能です。ただし細部要件は法令改正により変わり得るため、申請時点で管轄機関への確認が必要です。より一般的なルートは、**D-8 → F-2(居住、ポイント制) → F-5(永住)**の順で進めることです。

9. 相談のご案内

D-8はビザ1枚ではなく、外国人投資申告、法人設立、事業実体の構築、資金出所の立証、事業計画書の作成までつながる長期プロジェクトです。書類一つが欠けたり順序が狂ったりすると、2〜3か月が丸ごと後ろにずれます。特に資金出所と事業計画書については、フォーマットよりもご本人の状況に合わせた設計が先です。

ビジョン行政士事務所では、D-8企業投資ビザの法人設立からビザ発給、その後の延長・変更まで全工程を一つの窓口で進めます。ご自身のケースがどこで詰まりそうか事前に確認してから始めることが、時間とコストを最も削減する近道です。

📞 ビジョン行政士事務所 (VISION Administrative Office)

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